がん治療のすすめ

   

がん治療、自宅で行うという選択肢

もし自分や家族が癌と診断された場合、通常は病院での治療というのが選択肢の第一に上がってくるでしょう。医療施設も整っており、常に状態の急変に対応できるというのは本人としても家族としても安心できるポイントです。とはいえ、ガン治療というのは何年もの長丁場になることもありえますし、ケースによっては入院自体がストレスになって免疫機能を低下させてしまう場合も考えられます。そこで注目されているのが、自宅での治療という選択肢です。栄養状態が戦後改善し、医療の質も向上しましたが、高齢化が進むにつれがん患者の数も増えてきている日本では、多くの方がかかる可能性があります。そのためがん治療のための専門病院はどこも病床がいっぱいであり、自宅から通える距離にある病院に必ずしも入れるとは限りません。それに入院となれば費用もそれだけ余計にかかってしまいますから、何年間も病院に入っていると出費もかさんでしまいます。癌の治療は専門的な機械を使った複雑なものが多く、治療費が高額になりやすいものですし、もし民間療法などを試したいと思ったら当然健康保険は利用できないので、さらに多くのお金が必要になります。そうした時に入院費を節約しておけば、そのぶん必要な治療に費用を回すことができますので、そういった意味でも在宅を選択する人が増えているのです。がん治療を自宅で行う最大のメリットとして挙げられるのは、やはり慣れ親しんだ環境でストレスなく過ごせるという点があるでしょう。特に高齢の患者さんの場合は何十年も住んでいたお家から離れて、慣れない病院での生活に大きなストレスを感じてしまいがちです。癌の場合切除や放射線療法なども重要ですが、やはり最も大切になってくるのが患者さん本人の免疫力ですので、こうした心理的な負荷が治療にマイナスになってしまうという研究結果も報告されています。そのため家族に囲まれながら、それまでと同様の環境で過ごす方が睡眠もしっかりとれて、免疫力という点ではプラスになると言えるでしょう。特に高齢で進行が遅く、積極的な治療が必要ない場合、また末期がんと診断されなるべく残りの時間を静かに過ごしたいというケースでは、ほとんどの場合在宅での治療を勧められます。残りの時間を家族と過ごすことができますし、医学的な処置というよりも精神的なケアが必要だからです。がん患者の増加を受けて在宅での治療のサポートのための訪問看護や、医療器具の貸し出しなど様々な体制が整っている自治体も多いため、病院や保健所へ問い合わせてみるのがおすすめとなります。在宅治療のデメリットとして、設備が整っていないため必要な毎日の処置が受けにくいということは覚悟しておかなければなりません。簡単な注射や点滴であっても、家族もしくは自分でやらなければならないので、そういった医療設備も手元に置いておく必要があるのです。感染症予防のために機材をしっかりと洗浄消毒する必要もありますし、家族への負担も決して小さくはありません。もう一つ無視できないデメリットとして、病院ではないため容態が急変しても対応が遅れてしまう可能性があるということは覚えておきましょう。深夜や早朝であれば家族が気づかないこともありえますし、そこから救急や消防に連絡をしても病院に入院していた場合に比べ、だいぶ対応は後手に回ってしまいます。特に若い患者さんであればこういった症状の急変が多いため、自宅療養にはリスクがつきまとうことを覚えておきましょう。経済的な問題やご本人のストレス、そして家族と過ごす時間など様々なことを検討して、入院自宅での治療どちらが良いかをしっかりと考慮することが重要です。担当の医師、家族、ご本人が十分な話し合いを持つことをお勧めします。

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