がん治療のすすめ

   

がん治療で仕事と両立させることが出来るか

日本人の二人に一人は生涯の間に何らかのがんに罹患すると考えられていますが、検査や治療技術の進歩によりがんが発覚しても治癒したり長期間生存することが珍しくなくなってきました。種類にもよりますが相当程度進行した状態で発見されても長期生存を見込めることが珍しくなくなっているのは、正に最新の医療技術の進歩や新薬開発などのおかげと言って間違いないでしょう。がんは老化にも密接な関係を有することがわかっており、厳に高齢者では各種のがんの発症例が多くなっていきます。超高齢化社会の到来で高齢のがん患者の数も急造しています。他方でまだ働きざかりの年齢や若年者でもがんに罹患する可能性は低くありません。このようないわゆる現役世代のがん患者の誰もが直面することになるのは、がん治療と仕事の両立を如何に図るかという問題です。
人によっては仕事のことよりもがん治療を何よりも優先するべきではないのか、との疑念を抱かれる向きもあるでしょう。癌の治療の選択肢が乏しかった時代にはそのような考えが広く共有された時代もありました。しかしがんと診断されても必ずしも長期間の入院を必要になるとは限らないうえに治療法の進歩のおかげで仕事を継続しながらがん治療に取り組む患者さんも増えてきたのです。現役世代の方にあってはこれからの解決するべき問題は職を続けながら他方で治療も計画通りに受けて治癒や回復を目指す方向にシフトしているといって間違いないでしょう。職業を失わないことは日々の生活費をや治療費を工面するだけでなく、治ったあとの将来の人生設計を破綻させないためにも非常に重要なことです。
ところが最近問題になっているのは、がんにかかっていると会社などに発覚すると退職を勧奨されたり、治療のために有給をとったり長期休暇をとったことなどを理由に解雇を申し渡される事例が散見されると言うことです。解雇などの不当性を問題にして裁判などに発展する事例はほとんどないので、社会的にあまり問題化していませんが、がん治療と労働問題は実は目に見えないところで深刻な状況になっていると考えられます。
仕事とがん治療を両立させるためには何に注意するべきなのでしょうか。がんの治療は数年以上の長きにわたって継続する場合もあります。例えば乳がんなどでは種類によっては手術などの後も数年にわたってホルモン療法を継続することがある訳です。効果の判定や再発の有無、副作用のモニタリングなどのために、定期的に検査を受ける必要があります。検査のなかには麻酔を必要になるものもあり、時には休みをとらざるを得ない場合もあります。これは会社などの採用者サイドでみれば、しばしば休暇をとっている上に就業に見合った賃金や社会保険などの人件費がかさむと考えられる可能性は否定できません。このような事態を避けるためには、少なくとも上司や同じ職場の同僚などにはがんに罹患していることを打ち明けて、職場の人間に認識を共有してもらい、長期間にわたり継続が必要ながん治療の特性についての理解を深めてもらうことが大切です。なかにはがんにかかっている事実を明らかにすると、抜き差しならない立場に立たされると考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし病気を打ち明けておくことで、無用な摩擦が生じるのを避けることができます。
なかにはがんと診断されたら入院加療が必要になるので退職が必須と勘違いされている方もいらっしゃるかもしれません。しかし現在の日本の点転職市場を前提にすれば再就職をするのは容易なことではありません、仕事の両立を大前提にして、問題解決に取り組む姿勢が重要です。職があることは回復のための支えにもなります。がんとの長期戦に備え、会社と話し合って配慮してもらえるよう話し合って治療に専念するのが大事です。

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