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がん治療にアルコールが使われることがある

がん治療にアルコールが使われると聞くと、呑兵衛の人の中には「えっ、お酒を飲んでがんを治すことができる時代になったのか」と思う人もいるかもしれませんが、残念ながらそんな虫の良い話ではありません。


肝臓がんの治療法の一つして、超音波で見ながら肝臓がんの部分に細い針を刺して、アルコールを注入するという方法があるのです。アルコールには、細胞の中のたんぱく質を凝固するという働きがあるので、がん細胞を固めてしまおうというがん治療になります。医師たちはエタノール注入療法やPEITなどと呼んでいます。

繰り返して行うことも可能なことや、身体への負担が少ないことが大きなメリットです。

がんの大きさが小さすぎても上手く針を刺すことが難しいので、医療機関医よって違いはありますが、がんの大きさが0.5センチ~3センチで3か所以内の場合としている医療機関が多いです。

数時間前から絶飲食として、施術の30分ほど前に、点滴を行いますが、これは万が一何かあった時にすぐに薬剤を投与できるようにいう目的です。そして、鎮静剤などを注射して気持ちを落ち着かせます。針を刺す部分には局所麻酔を行います。

肝臓は呼吸と共に動くので、医師の指示に従って息を止めてください。およそ20秒ほどの、息止めです。担当医とピッタリと息が合うように、数回練習をすることもあります。


肝臓にアルコール(100%エタノール)を注入した後は、暫く安静にしますが、3時間後には水を飲むことができるでしょう。吐き気が無ければ食事も数時間後にはOKです。

翌日か翌々日には退院となることが多いです。ガンが小さくなっているかどうかはおよそ1か月後にCTを撮影して確認します。


PEITによる肝臓がん治療を受けるには、いくつかの条件があります。がんの個数が3個以下で大きさが3センチ以下ということや、コントロール不能の腹水がないことや出血傾向がないこと、20秒ほどの息止めが指示に従ってできることなどが条件となっています。

肝臓がんにかかる人は、年間およそ4万人と言われています。

原因で最も多いのはC型肝炎ウイルスで、およそ7割がこれが原因です。一般人が肝臓がんになるリスクが1だとすると、C型肝炎ウイルスを持っている人は101倍だとされています。

しかし、それだけではありません。

脂肪肝から肝硬変へと進行し、肝硬変から肝臓がんへと進行してしまうケースもあります。

脂肪肝の原因で多いのが、お酒の飲み過ぎです。お酒を飲まない人が肝臓がんになるリスクが1だとすると、毎日2合以上飲む人を比べると、4.3倍リスクが高くなるという報告があります。

肝臓がんに赤信号が灯っている要注意の人は、3合以上の飲酒が5年以上続いている人と言われていますが、女性の場合はこの3分の2の量で要注意です。

お酒の飲み過ぎも、肝臓がんの大きな原因だと言えます。

肝臓がんの治療は、肝機能の状態やガンの個数や大きさで治療法が決定します。大きさは3センチが分かれ目だと言われています。

PEIT以外の治療法には、肝切除やラジオ波焼灼療法や冠動脈塞栓療法や抗がん剤や肝移植などがあります。

ラジオ波焼灼療法は、PEITと同様に超音波でがんの位置を確認しながら、電極針をお腹の受けから刺します。そしてがんやその周りの組織に高周波を流して焼き固めてがん細胞を死滅させる治療法です。がん数が3個以下で3センチ以内で肝機能が軽度から中等度の場合に検討されます。

近年は、ラジオ波ではなくマイクロ波を使うことも増えています。最近は、PEITよりもラジオ波やマイクロ波で焼き固めることが多くなっています。

アルコールを飲み過ぎて肝臓がんになった人が、そのアルコールで治療をするというのは何とも皮肉なものですが、このような治療法もあるということを知っておくと良いでしょう。
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